渡島・桧山地方は7月に入り前線などの影響で降水量が多く、日照時間が少ない状態が続いている。上旬(1~10日)の降水量が、すでに7月の平年値を上回っている所が多く、日照時間が平年の1割に満たない地点も多い。函館市内では雨や多湿に備える用品の売れ行きは伸びておらず、近づく夏に向け天候回復に期待が高まっている。
5日に台風から変わった温帯低気圧が通過したほか、前線や低気圧の影響で雨の日が多くなっている。気象庁の速報値によると上旬の降水量は、森、七飯町大沼、福島町千軒以外はすでに月平年値を上回っている。この間の日照不足も顕著で、函館市美原は3・7時間で平年の8%、八雲町八雲は0・8時間で同じく2%にとどまっている。
ホームセンターのイエローグローブ各店には除湿機やクローゼットなどの除湿剤、雨具類、熱中症対策の冷感グッズなども取りそろえるが、全般的に動きは良くないという。運営するテーオーリテイリング店舗強化部の後藤崇生マネジャー(49)は「除草剤などの園芸用品が伸びる時期だが天候の影響を受けている。エアコンは取り付け工事にも時間がかかるので、暑くなる前の今がお勧め」とし、「夏休みを控えているので天候が回復し、行楽用品や海水浴関連の売れ行きに期待したい」としている。
13日に第31回公演の初日を迎えるNPO法人市民創作「函館野外劇」の会の里見泰彦事務局長(75)も天候の行方に気をもむ一人。開幕初日はオープニングセレモニーを予定しているが、2日目以降への延期はない。里見事務局長は「少々の雨なら公演は実施するが、天気が気になるとお客さんも楽しめないだろう。天候回復を祈るだけです」と話している。(今井正一、山崎純一)