町会内で2016年10月に発生した殺人事件をきっかけに、西旭岡町会(高村純一郎会長)は14日、町会内に防犯カメラを設置し、運用を始めた。同日、同町会と防犯カメラの設置に向けて協議を続けてきた函館中央署との設置・運用に関する協議書の調印式が行われた。
西旭岡町会では、16年10月31日、岸田友子さん(当時68)が何者かに殺害される殺人事件が発生。同署が現在も捜査を続けているが犯人の検挙にいたっていない。同署は地域住民の安心感を醸成するため、同町会や近隣町会と防犯カメラの設置に関して協議を進めてきた。
一方で、防犯カメラの購入・設置には多額の費用が必要となることから、函館中央管内防犯協会の構成団体である函館方面遊技業協同組合(光金守弘会長)に防犯カメラの寄贈を依頼し、昨年11月、組合から同協会に対して防犯カメラ3台が寄贈され、西旭岡町会に設置されることとなった。
防犯カメラは、町会内の住宅2軒と集会所に設置し、同町会が設けたプライバシー保護などに関するガイドラインに沿って運用する。設置場所には防犯カメラが作動していることを示す看板を設置し、主に道道函館南茅部線を写す。
町会と中央署との協議書は、両者が防犯や治安向上に向け協力し、同署の要請に基づいて防犯カメラの画像を事件、事故の捜査に提供するとした。
調印式では高村会長と原口淳署長が協議書に調印。高村会長は「道道は町会の入口に当たり、カメラが設置され、犯罪抑止効果や交通事故防止に期待できる」と語り、原口署長は「まずは(殺人事件の)一刻も早い犯人の検挙に努めたい。カメラは車上狙いや空き巣被害など街頭犯罪を防ぐのに有効。確実に協議書の内容を履行し、捜査に役立てたい」と話していた。(大谷健人)