【七飯】大沼で活動する研究者が一堂に会し、これまでの調査・研究の成果を発表する「大沼研究発表会&第136回ウェットランドセミナー」が24日、大沼国際セミナーハウスで開かれた。大沼でのアオコ抑制への提案や特定外来生物ウシガエル分布の問題点などを口頭やポスターセッションなどで紹介し、参加者同士で情報共有した。
恵まれた環境を後世へ引き継ぐために研究機関と行政、地域住民らをつなぐ機会にしようと毎年開催。大沼ラムサール協議会や湿地を研究対象とした研究者や学生でつくる「Wetland Seminar」の共催で、約30人が参加した。
北大大学院は植物プランクトンが異常発生し、水面が緑色になる「アオコ」に関するプログラムを3つ発表。このうち宮下洋平さんは、低コストで環境に配慮した防除方法として水草の「ヒシ」に注目。昨年実施した実験結果から、ヒシ由来の殺藻細菌でアオコが抑制されたことを説明し、湖水の濁りの影響を受けずに成長するヒシを契機とした水質改善の可能性を示唆した。また、「研究機関の積極的な社会参加は住民生活に直結し、非常に大きな社会貢献になる」とし、自治体や地元住民との関わりの必要性も紹介した。
ポスターセッションでは七飯高校の環境学習で扱っているウシガエルの調査経過を報告。このほか、将来世代になりきった意見と現在の考え方で協議を重ね、地域の望ましい将来像や行動計画を考える「フューチャーデザイン」を実践したワークショップ「大沼未来会議」の成果発表なども行われた。(蝦名達也)