11万トン級のクルーズ船を接岸できるように函館港若松地区に整備する岸壁の着工式が3日、市国際水産・海洋総合研究センター(弁天町)で行われた。工藤寿樹市長や地元の国会、道会議員ら約90人が出席し、工事の安全と早期完成を祈った。大型船の停泊が可能となる完全供用まで5年ほどの工期が見込まれているが、同開建はしゅんせつに入る前の来年秋にも暫定供用を目指す考え。
式では事業を実施する函館開建の菊池一雄部長が「工事の安全と周辺環境の保全に万全を期し、施設の早期完成を目指し、地域の期待に応えたい」と式辞。工藤市長も「クルーズ船の誘致をさらに進め、早い時期に年間70隻の寄港を目指す。陸海空の交通がコンパクトに整っている函館の利点を生かしまちづくりを進めたい」と述べた。
逢坂誠二衆院議員、横山信一参院議員ら来賓6人のあいさつの後、くす玉を割り着工を祝った。遺愛高校吹奏楽局の46人がオープニングで記念演奏し、式に花を添えた。
工事は青函連絡船摩周丸の右舷側で実施し、水深10メートル、長さ360メートル(桟橋部250メートル)の岸壁を整備。
JR函館駅や函館朝市など主要観光スポットが集まる中心部に整備することで観光面の波及効果が期待される。
事業は昨年度から進められており、11月15日から鋼管杭を打ち込む工事を始めている。(鈴木 潤)