通報者はニャンとも言えません―。11月に入り、渡島管内の消防機関に地域の一般住宅から“無言”の119番通報があった。発信直後に住民が倒れていることも考えられるため、消防・救急隊が緊急出動したものの、留守宅で待っていたのは部屋でくつろぐネコ3匹。現場の状況から、ネコが固定電話のダイヤルを“踏んじゃった”ことによる入電の可能性が高い。
消防によると、入電直後から職員の問い掛けに電話先では反応がなく「その時は、ミャー、ミャーというネコの声も聞こえなかった」(関係者)。緊急事態として消防は総力を挙げて迅速に対応。救急車のほか、はしごや工具などを備えた消防隊が向かった。
到着後、間もなくして何らかの通報の誤りだったと安全確認が取れた。電話の受話器が外れていなかったことから、ネコの手足が外部スピーカーのスイッチに触れ、さらに「1・1・9」の番号ボタンを押す偶然が重なったとみられる。
この消防は、ペットが絡む誤通報について「とても珍しい。無事で良かった。それに尽きる」としている。(田中陽介)