函館市末広町１４のホテルシーボーン（蒲生豊支配人）は、ホテル内の客室をコスプレなどの撮影用に貸し出すサービスを始めた。優雅な中世ヨーロッパ風の家具や調度品が特長の同ホテルで自由に撮影できるとあり、コスプレイヤーたちの反響を呼んでいる。
　同ホテルは、２年前から開かれている「函館コスプレイベント＆ストリートダンスフェス」に毎年協力。１階を撮影用に開放していたが、参加者から「年に一度ではなく、いつでも撮影したい。これほどかわいいのにもったいない」との声が寄せられていたという。
　これを受け、同ホテルのスタッフ山田鈴花さん（２２）が企画。自身もコスプレイヤーの山田さんは「宿泊すると学生には高価なので、手頃に撮影を楽しめる場所にしたかった」と話す。９月下旬にツイッターでプランを発表すると、情報の拡散が相次いだ。
　撮影できる場所は、暖炉や大きな鏡などがあるラウンジ、フランスの地下室をイメージした個室「石の館」、宮殿の一室のような２つのスイートルーム。客室は宿泊客も通常通り受け入れるため、土日祝日はチェックイン前の正午～午後２時などと時間を限定している。
　７日にスイートルームで撮影した「閣下にゃん」さんは「本州には専用のスタジオや施設を撮影用に貸し出してくれるところがあるが、函館にはない。かわいくて、入った瞬間に体温が上がった」とにっこり。
　１１月中旬には同ホテルでコスプレのイベントを予定。山田さんは「『函館には撮影できる場所がどこにもない』という事態を解消し、函館から全国に広めたい」と意欲を見せている。
　価格は２時間１０００円から。レストラン利用と組み合わせたプランなどもある。問い合わせ、予約は同ホテルの山田さん（０１３８・２７・４４１１）へ。（稲船優香）