函館出身の大道芸人、ギリヤーク尼ケ崎さん(87)が20日、千代台公園陸上競技場で開かれた「第22回ざいだんフェスティバル」に出演した。祈りを込めた演舞で、2年ぶりの函館公演を待ちわびた大勢の観客を引き込んだ。
ギリヤークさんはパーキンソン病や脊柱管狭窄症と闘いながらトレーニングを続けてきた。曲がった腰を抑えながら「80歳を超えてから疲れて大変だが、この踊りと歓迎してくれる函館の皆さんが大好き」と語りかけ、函館公演実現の喜びを噛みしめた。
38歳で初めて路上で踊り始め「来年の50周年に向けて、精魂込めて踊りたい」と宣言。赤いふんどしで「老人」、客を巻き込む「よされ節」、震災などで命を落とした人にささげる「念仏じょんがら」を披露。数珠を振り回し、頭から水をかぶり、観客の輪の中を転げ回った。演舞終了後には「来年も参加します」と力強く両手を突き上げた。(稲船優香)