函館市昭和2の永全寺(齊藤隆明住職)が、座禅を通じて子どもたちの心の成長を図る「子供座禅塾」の夏期特別セミナーが、今年で10年目を迎えた。24日は小中学生25人が参加し、座禅に対する心構えなどを学んだ。
同塾は、斎藤住職が「ストレス社会に生きる子どもたちに、静かに自分と向き合い、安らぎと優しい心を育んでもらいたい」との思いから、2007年9月に開講。通常は月1回、第3土曜日に開いているが、夏休みを目前に控えたこの時期には座禅以外にも参加者全員で夕食を食べ、肝試しや花火大会などのレクリエーションを楽しむ特別セミナーを開催している。
子どもたちは般若心経を唱えてから、早速座禅を組んだ。この日が初参加となる子どもの中には、足の組み方に四苦八苦する姿も見られたが、斎藤住職の「余計なことを考えずに自分の呼吸が聞こえるくらいまで集中するように」とのアドバイスに従い、約20分間本堂は静寂に包まれた。
また、斎藤住職は手にしている警策(きょうさく)という棒について「肩や背中をたたいて罰を与えるものではなく、気持ちを引き締める意味がある」と説明。子どもたちからは警策を与えてもらうために合掌して志願する姿も見られた。
小3から毎年セミナーに参加している函館亀田中3年で、卓球部に所属する庄司響君(14)は「もうすぐ全道大会につながる卓球の大会がある。座禅会に参加して気合を入れてもらったことで、大会に向けての集中力が高まった」と話していた。(小川俊之)