道は11日、国内3例目となるダニ媒介脳炎患者の発生が確認されたと発表した。患者は70代の男性で、函館市内の医療機関を受診したが死亡した。ダニ媒介脳炎による死者は昨年8月以来国内2例目。
死亡した男性は6月中旬に発症し、医療機関を受診。医師が症状からダニ媒介感染症を疑い、道立衛生研究所などが採取した血液から検査を行い陽性と判明した。男性が感染した地域は調査中。
ダニ媒介脳炎はウイルスを保有するマダニにかまれることで感染し、発熱、筋肉痛などインフルエンザに似た症状の後、意識障害、髄膜炎、脳炎を引き起こす。潜伏期間は7~14日程度とされている。人から人への感染、水や空気を介しての感染はない。マダニは森林や草地に生息するダニで、住宅内に発生するダニとは種類が異なる。
ダニ媒介脳炎は1993年に渡島保健所管内の30代女性が感染し、国内で初の感染例となった。昨年8月に札幌市の40代男性が感染、死亡している。
道や厚生労働省などはマダニにかまれないようにするために、マダニの活動が盛んな場所での長袖、長ズボンの着用や、かまれた場合は医療機関を受診して処置するよう注意を呼び掛けている。