函館市と市内8高等教育機関でつくる「キャンパス・コンソーシアム函館」(会長・後藤泰宏道教育大函館校キャンパス長)は3日、市民会館小ホールで合同公開講座「函館学2017」を開講した。初回はロシア極東大函館校のイリイン・ロマン准教授が「函館の中のロシアの大学の分校(1994年~)」と題し講義。日ロ交流の懸け橋となる人材育成の一翼を担う同校の役割を解説した。
函館学は2005年に始まり、これまで計74回の講義に延べ約9000人が参加している。
この日は55人が参加。イリイン准教授は、ウラジオストク市や同市にあるロシア極東最大の総合大学、極東大(本学)の概要を説明。同大は10年に極東国立大を基盤に設立され、現在は9学部と函館を含む8分校で構成。1991年のソ連崩壊後は、ロシアでは市場経済化が急激に進んだため、ビジネスマネジメントが学べる経済・経営学部、法学部、地域・国際研究学部の順に人気が高いと説明。逆に自然科学部は倍率が低いとした。
函館校は「地理的だけではなく、日ロの総合理解を深めるため」と開校の背景を強調。「はこだてロシアまつり」(毎年2月)やロシア語市民講座、マトリョーシカ絵付け体験教室など幅広い活動を展開しており、ロシア文化に触れられるチャンスを生かしてほしいと呼び掛けた。
講座は10月28日まで全6回。次回は今月17日。問い合わせは事務局(0138・44・4211)へ。(山崎大和)