18日の道南は、日本海側から急速に発達して接近した低気圧の影響で、各地で風害や停電が起きたほか、交通機関にも乱れが生じた。
函館市消防本部によると、風害は18日午後8時ごろまでに約30件発生。主に屋根トタンがはがれたほか、看板、建物の外壁や窓ガラスが損傷した。東川町の民家では玄関の窓ガラスが割れ、消防隊員が出動して処置に当たった。このほか、風による転倒で市内の女性(55)と男性(89)が軽傷を負った。函館山登山道など市内の道道2カ所は、倒木の恐れのため通行止めとなった。
強風による倒木などで広範囲の停電も発生した。市内は正午から同日午後8時までに最大約2360戸が停電。松前町札前は同日午前6時35分から同10時40分ごろまで電線2本が断線し、約190戸が一時停電した。このほか、森町砂原2などで約90戸、上ノ国町扇石、江差町椴川町などで計約3150戸が停電した。
また、函館市内の公立小中学校全校が強風の影響で登校時間を2時間繰り下げて授業を行った。市教委によると小学校46校、中学校25校で通常通り授業を終了し、下校中の被害は出なかったとしている。
交通機関にも乱れが生じた。ハートランドフェリーは1往復便を欠航し、約120人に影響。津軽海峡フェリーは函館―大間間の2往復便を欠航し、約100人に影響した。
空の便にも欠航が相次いだ。日本航空(JAL)は東京羽田、札幌丘珠、奥尻行きなど計4往復便が欠航し、約400人に影響。全日空(ANA)は新千歳行きの1往復便が欠航し、約110人に影響した。バニラエアは成田行きの1往復便が欠航し、約190人に影響した。
函館地方気象台によると、18日午前9時33分、函館空港で瞬間最大風速27・3メートル、最大風速21・1メートルを観測。降水量は17日午後11時から18日午後4時までに七飯町大沼で最大83・5ミリを観測した。同気象台は18日正午から翌午前0時までの1時間雨量は30ミリと予想し「今後発表する警報や注意報、気象情報に留意を」と呼び掛けている。(三好若奈、半澤孝平、木村京子)