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函館大火と共愛会の歩みまとめる 函短大の松田教授

 函館短大保育学科長の松田賢一教授らが、1934(昭和9)年の函館大火後、寄付金を基に託児所を設け、復興に尽力した社会福祉法人函館共愛会の歩みを、論文「函館市における社会事業史研究③」としてまとめた。保育に関する規定の作成や保育士の養成所の開設など、函館の保育を先導した取り組みを著した。
 共愛会の創設は、2万4000戸余りが焼失し、死者2166人を出した34年3月の大火がきっかけ。就労する保護者のため、託児所が5カ所増の9カ所になったが、当時の坂本森一函館市長はさらなる社会的施設の必要性を痛感し、大火から半年後、財団法人函館共愛会(当時)を創設、初代理事長に就いた。
 簡易住宅の建設や職業紹介などを行い、9カ所のうち3カ所の経営は共愛会に移管された。43年には5カ所の託児所(新川、谷地頭、高盛、駒止、亀田)に3~8歳児計918人が入所していたという。
 保育事業拡大の基盤も作り上げた。35年には「函館共愛会託児所規定」を設け、入所できる年齢や執務時間、おやつの料金などを記している。また、43年には共愛会が主催して保母養成講習所を開設。保母の養成が本格化したのは戦後で、道内では50年に道立保母専門学校、55年に函館保母養成専門学院が開校している。松田教授は「戦後に先駆けて保母講習会を行っていたのはすごい。保育のみならず、保母の裾野を広げる事業も行っていた」と話す。
 昨年2月、新川町の中央認定こども園にあるモニュメント「この子らに、未来を託して」の後部に書かれた、函館大火についての記述を見たことが執筆のきっかけだといい、松田教授は「現在市内にある保育園は44園だが、その模範となる保育事業の礎を築いたのが共愛会。モニュメントの言葉は『保育とは何か』を問い続けている」と話す。
 14日、論文を受け取った共愛会の近江茂樹理事長は「大火の後にスタートした託児事業は、今も認定こども園として全て残っている。肉付けしてまとめていただきありがたい。職員にも話したい」と謝辞を述べた。
 論文は今夏をめどに、同短大のホームページなどで公表する。(稲船優香)










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