パートナーから暴力(DV)を受けた被害女性が身を寄せる地域のシェルターへの支援策の一環で、函館西署(斉藤正仁署長)の署員が自主的に婦人服や子ども服など566点を集めた。26日に同署で寄付贈呈式があり、シェルター関係者が「1回でこんなに大量の寄付は初めてで、本当にうれしい。子ども服もあって、みんな喜んでくれると思う」と感謝を伝えた。
DV被害者を支援するNPO法人ウィメンズネット函館(古川満寿子代表)に対し、段ボール28箱分を用意。斉藤署長らが講演会などで同法人の活動の様子を把握する中、同署としても支援を図りたいと約130人の全署員に協力を呼び掛けた。
被害者は着の身着のまま避難することも少なくなく、同法人では女性用の日用品や衣類などの寄付を随時受け付けていることから、その周知強化にもと署員が団結して取り組んだ。単身赴任の男性署員たちは、妻や家族らから宅配便で送ってもらい「みんながとても協力的で、まさかこんなに多く集まるとは思わなかった」と署員。いずれも新品またはそれに近い状態のもので、大人用、子ども用などの種類別に分け、きれいに畳んで箱に詰めた。
同法人事務局長の加茂章子さんは「一度の寄付でこんなにたくさんいただくのは初めてで、およそ1年分の寄付だと思う。豊富なサイズ、季節ごとの服を選べることで、被害者の気持ちも和らぐはず。子どもも喜んでくれると思う」と感謝していた。
斉藤署長は「衣類などを寄付したいという気持ちがあっても、どのように届ければいいのか分からない人もいるはず。この支援の輪を少しでも地域で広げていくことができれば」と話していた。
同法人によると、近年の受け入れは60件前後、昨年度は119人で内訳は被害者が55人、子どもらの同伴64人。同法人は、被害者らが使う衣類や寝具、雑貨・家具の寄付(いずれも新品に近いもの)を受け付けている。問い合わせは(0138・33・2110)へ。(田中陽介)