NPO法人市民創作「函館野外劇」の会(中村由紀夫理事長)は野外劇の魅力の伝えるプレイベントを27日に五稜郭タワーアトリウムで開く。15人の出演者がフラッグダンスや箱館戦争のシーンを公開し、2017年の第30回公演に向けた出演者の掘り起こしにつなげる。同会は「野外劇の楽しさを知ってもらい、ダンスや殺陣を一緒にやりませんかとアピールしたい」と来場を呼び掛けている。
プレイベントの開催は初めて。ペリー来航で開港した箱館の華やかさを演出するフラッグダンス、幕末のクライマックスでもある箱館戦争の殺陣シーン、明治以降のまちの復興を表現するソーラン踊りを演じる。活動弁士やレーザープロジェクターによる演出も計画している。公演前には野外劇のキャラクター「かく・ルン」によるグリーティングもある。
今夏の公演では、多い日で約250人が出演。このうち、せりふのある配役やダンス、殺陣出演者は合わせて約50人が必要となる。ダンス参加者は小学5年生以上、殺陣は高校生以上で、公演(7~8月)前には毎週、土、日曜日に練習を実施。毎年、新たなキャストを募集するが、出演者確保は年々厳しく、さらに全員が公演開催日に参加できるとも限らない。同会は「人数がそろわないと迫力がでない。ダンス、殺陣役はそれぞれ常時20人程度は確保したい」とする。
この時期に新たなイベントを企画することで、観光客に函館の歴史絵巻を喜んでもらい、市民に関心を持ってもらうきっかけにしたい考え。同会は「地元の人にも広く知ってもらい、来年の公演につなげたい」とすそ野の拡大を期待する。
プレイベントの見学は無料。27日午後1時半、午後3時からの各30分。問い合わせは同会(0138・56・8601)へ。(今井正一)