函館市の公式観光情報サイト「はこぶら」のアクセス数が好調だ。今年1月から9月までの累計閲覧回数(ページビュー)が前年同期と比べて32%増加し、既に昨年1年間分を上回った。今春の北海道新幹線開業で、道南・函館の注目が集まる中、地元ならではの目線で魅力を掘り起こし、積極的に発信し続けた取り組みが実を結んでいる。
同サイトは、市がプロポーザルで選んだ企業に運営を委託しており、2010年12月から、市内本通のシンプルウェイ(阪口あき子社長)が受託。市民記者が執筆したイベント情報やニュース、函館の魅力を紹介するコラムなどを掲載しており、毎月数十本の新規記事を公開している。
毎年着実に閲覧回数を伸ばしており、昨年は初めて1000万回の大台を突破。今年は北海道新幹線開業日に過去最高の10万8484回を記録するなどアクセス数が好調で、9カ月間で昨年1年間を超える1168万回を記録している。
近年は市内のアマチュアカメラマンらの協力を受け、注目度の高いイベントの写真を充実させている。新幹線開業イベントとして行われた航空自衛隊アクロバティックチーム「ブルーインパルス」の祝賀飛行では、10人の記者がそれぞれ違う場所で撮影し、大きな反響を呼んだ。「記事の本数が増える中で、閲覧者が見たい記事にすぐたどり着けるよう、見せ方も工夫している」と編集長の安立真由美さん。
現在は増加するインバウンドの需要を受け、外国語サイトの全面リニューアルを進めている。阪口社長は「来年以降、市内観光における新幹線効果は薄れてくると思うが、函館の魅力的な情報を発信し続けて、来たいと思ってもらえるようなサイトをつくっていきたい」としている。(金子真人)