【木古内】三セク鉄道、道南いさりび鉄道は10月31日、木古内町の泉沢駅周辺で、災害時に乗客を避難誘導する訓練を行った。
3月26日の開業以降、列車を使った大掛かりな訓練は初めて。木古内署や木古内消防署、沿線地域の町内会なども協力。乗客役の28人を含め約60人が訓練に参加した。
巨大地震の発生とともに大津波警報が発令され、列車内にけが人1人が出たとの想定。列車は札苅駅方面から泉沢駅に向かう途中、同駅ホーム手前で緊急停止した。車内では運転士が現在の状況を乗客にアナウンスしたり、関係機関との連絡を取り合うなどした。
その後、駅構内に入って避難を開始し、乗客が次々と避難用のはしごを使って降車。線路上を歩き、近くの高台へ向った。最後に救急隊員がけが人を担架で運び、救急車で搬送した。
約20分ほどで全員が高台への避難を完了した。訓練を見守った同社の小上一郎社長は「きょう訓練の内容を一つ一つ振り返り、関係機関からの指導もいただきながら改善すべき点は改めていきたい。今後も視点を変えた訓練をして乗客の安全確保に努める」と述べた。(鈴木 潤)