歳末の風物詩「歳の市」が25日、函館市松風町のはこだてグリーンプラザで始まり、紅白の繭玉や大小のしめ飾りが年の瀬のまちを彩っている。今年も市内在住の国井弘昭さん(69)の露店が31日まで営業する。
周辺は、かつては多くの露店が軒を連ねたが、2017年から1店だけとなった。正月飾りも量販店での購入が主流となる中、手作りの仕上げの良さを好むファンが毎年訪れている。飾り物は妻の美恵子さん(69)と2人で毎年夏ごろから準備し、材料の菅草(スゲ)は函館市内の畑で刈ったものを使っている。
父の後を継いで今年で45年目という国井さんは「昔はにぎやかだった」と往時を懐かしみながらも「伝統文化を守り、楽しみにしてもらっているお客さんのためにも、今後も長く続けたい」と話している。
開店は午前8時から午後5時過ぎまで、最終日は昼ごろまで。(神部 造)