国内外の料理人が一堂に会す「第11回世界料理学会inHAKODATE」(実行委主催)が1日、函館国際ホテルで開幕した。開催は2022年9月以来約2年ぶり。個々が培ってきた料理哲学や料理人としての心構えなどを発表し、熱く議論を交わした。2日まで。
スペイン北東部のバスク地方、サンセバスチャンの取り組みに倣い、現場の料理人の研さんの場をつくろうと09年から開催。今回は「混沌たる時代に向けて、料理人はどうあるべきか」をテーマに据え、2日間で計14人が登壇する。
開会あいさつで深谷宏治実行委代表(レストランバスクオーナーシェフ)は「料理人はおいしいものを作るやりがいのある仕事。料理観を共有することによって日本全体のレベルが上がり、世界に及んでいく」と力を込めた。
トップバッターで登壇した岐阜市の「日本料理たか田八祥」の高田晴之さんは地産地消へのこだわりを語り「高みを目指すには深掘りが必要で、一つの食材でもとことん勉強し、相性やどうしたらきれいに見せられるかを学んできた。(料理人は)個性に共鳴してもらい、ファンがどれだけつくかが生命線」と持論を展開した。
同日夜には開催記念パーティーがあり、学会で発表する料理人の技が光るピンチョス(つまみ)などが振る舞われた。
2日は市芸術ホールで午前10時~午後5時20分で開催。深谷代表がサンセバスチャンでの修業時に師事し「新バスク料理の父」と称される故ルイス・イリサールさんの長女、ビシ・イリサールさんらが登壇する。当日チケットは1枚2000円で販売。(飯尾遼太)