【厚沢部】厚沢部町社の山の板坂農園(板坂阡一社長)の圃場(ほじょう)で6日、越冬メークインの掘り出し作業が始まった。雪を利用した低温貯蔵により甘みが増し、一段とおいしくなる。選別して箱詰め後、東京の百貨店などに出荷する。
板坂さんは食用メークインを約15ヘクタール作付け、見た目がきれいで甘くて味が濃いのが特徴。道南ブランドとして、道内外の料理人や百貨店のバイヤーから引き合いがあり、冬季商材には欠かせない存在だ。
12月初めに専用袋に入れたメークインを土中に並べ、水分の付着を防ぐ幅1メートルのビニールを上に掛け、土で覆う。温度は凍結しないプラスに保っており、今年は約60トンを貯蔵している。
この日は重機で丁寧に雪や土を取り除くと、専用袋の中からメークインが顔を出した。3月まで6、7回に分けて掘り出す予定。
板坂社長は「塩煮やシチュー、コロッケにして食べると、甘みとまろやかな味が楽しめる。年々人気が高まっており、息子(峰行さん)と一緒に面積を拡大したい」と意欲的だ。(山崎大和)