新紙幣への切り替えを前に、函館西署などは26日、函館市田家町のスーパーマーケットで、買い物客に詐欺被害防止を訴える街頭啓発を行った。
新紙幣が7月3日から発行されることから「旧紙幣が使えなくなる」、「旧紙幣の交換や回収をする」などをかたる新たな詐欺を未然に防ごうと実施。同署員と管内防犯協会などから計11人が参加した。
署員らは「新紙幣が発行されても旧紙幣が使えなくなることはありません」「交換のために係が自宅にうかがうことはありません」と声を掛け、来店客に詐欺被害に遭わないよう呼び掛けるとともに、被害が増えているSNSを使った詐欺など、詐欺の手口などについて書いたチラシやティッシュなどの啓発グッズ50セットを配布した。
道警によると、道内では今年1月から5月末までの間で著名人や専門家をかたるネット上の偽広告を通じて投資詐欺を行う「SNS型投資詐欺」とSNSを通じて恋愛感情や親近感を抱かせて金をだまし取る「ロマンス詐欺」の発生件数が66件(昨年同時期19件)、被害総額が約10億円(同約3億円)と急増しており、対策が急がれている。
同署生活安全課の沼田紀子課長は「新紙幣の交換、回収などの電話が来たら詐欺を疑い、警察に相談してほしい」と呼び掛けている。(中島遼泰郎)