函館市は、下水道への関心を高めてもらおうと、ご当地マンホールのふたの写真を印刷した「マンホールカード」を発行する。道内では札幌市、北見市、木古内町が配布しており、観光誘客の呼び水にもなっているという。函館市では12月の発行を目指す。
マンホールカードは、縦8・8センチ、横6・3センチで、表面は各地のマンホールのふたの写真や設置場所の座標、裏面はデザインの由来などを記している。
国土交通省や日本下水道協会などでつくるPR団体「下水道広報プラットホーム(GKP)」が企画・監修。今年4月から、全国の自治体が下水道関連施設など場所を限定して無料配布している。GKPによると、現在68自治体から74種類、累計約23万枚が発行されているという。
ご当地マンホールは1980年代、下水道事業のイメージアップを目的に全国の自治体で導入が進み、函館市では1989年に初めて「市の魚」のイカをモチーフに作製。現在は五稜郭や観光シンボルマークなどの4種類があり、観光地などに設置している。
木古内町では8月に、町内サラキ岬で座礁・沈没し、現在も海底に眠っているとされる旧幕府の軍艦「咸臨丸」のマンホールカードを発行。道の駅「みそぎの郷きこない」で配布しており、地元の子どもたちをはじめ、全国を回ってカードを収集している愛好家も訪れているという。
市は15日の市議会第3回定例会一般質問で、藤井辰吉氏(市政クラブ)への答弁でカード作成の方針を明らかにした。市企業局は「下水道への関心を深めてもらう手段であるとともに、愛好家が本市を訪れるきっかけになることが期待できることから、有効に活用していきたい」としている。(金子真人)