【北斗】海底に生息する生き物「ウミウシ」に注目したぬいぐるみを制作している北斗市在住の「竜胆(りんどう)」さんの作品が初めてカプセルトイ化され、全国で発売される。4月から書店やスーパーマーケットのカプセル自動販売機コーナーで購入できる。
竜胆さんは、学生時代から趣味で制作活動を行い、家業を手伝う傍らフェルト羊毛や樹脂を使ったレジンアクセサリーなどを作成。ある時、書店でウミウシを特集した本に出会い、その不思議で愛らしい魅力に衝撃を受けた。関連するグッズを雑貨店などで探すも取り扱いがなく、「ならば自分で作ってみよう」と制作を決意。2022年9月には函館蔦屋書店(石川町)で開催したイベントに出店し、手作りのウミウシぬいぐるみを販売。SNSでも自身の作品を紹介し、希少で個性的な力作が熱心なファンを集める。
作品は全てオリジナルで素材にもこだわる。理想とする生地が日本では手に入らず、英国・ロンドンの印刷会社「コントラード」から取り寄せ、綿は布団にも使用するテイジンテトロン綿を使用。一つの作品完成まで約60時間かかるという。
23年2月に東京で開催した造形とフィギュア作家の一大イベント「ワンダーフェスティバル」に初参加し、作品6点を販売。一つ当たり1万5000円の商品は、予想を超える反響があり完売した。その際に視察に訪れた玩具メーカー「いきもん」(東京、佐藤純也社長)の担当者が、竜胆さんの作品にひかれ商品化を提案。カプセルトイ用に型紙を描き下ろしサンプル制作を重ね、発売につながった。
カプセルトイは全5種類で400円。商品の大きさは10センチ。竜胆さんは「海中にこれほど美しい生き物がいると知り、海の怖かったイメージががらりと変わった。本がきっかけで好きになったウミウシの魅力を、今は自分が伝え手として多くの人に広めたい」と笑顔で話している。(竹田 亘)