函館工業高生物部の部長で3年の松浦冬真さん(17)が10月、北海道ではまれなチョウ「キタキチョウ」を函館市弁才町で採集した。道内では2020年に福島町で見つかったほか、21、22年にも松前町で発見されたが、函館市内での採集は64年ぶり。
採集は10月28日で、この日は同様に本州以南に分布する「ヤマトシジミ」を狙って訪れていた。「見た目が似たモンキチョウかとも思ったが、特徴的な飛び方をするのでキタキチョウかもしれない」と捕獲し、その後顧問の薩来俊彦教諭らとキタキチョウであると確認した。キタキチョウの分布は岩手県以南とされ、松浦さんは「今年はヤマトシジミを多く見つけたので、キタキチョウもひょっとしたら見つかるのではないかと思っていた。うれしかった」と思わぬ発見を喜ぶ。
同部は、9月から10月にかけてヤマトシジミを計19匹函館市、松前町などで採集しており、薩来教諭は「温暖化など何らかの環境変化が影響しているかもしれない。(キタキチョウやヤマトシジミが)北海道の冬を越せる可能性は低いと思うが、来年以降も注意深く見ていきたい」としている。
休みの日にはチョウを探しに出かけるほか、平日にもチョウを目で追ってしまうという松浦さん。「大学進学後も、道南のチョウ研究を続けていきたい」と意欲を示している。(神部 造)