冬本番を前に、函館市企業局交通部は21日、除雪作業用車両「ササラ電車」の試運転を行った。駒場車庫から五稜郭公園前まで往復走行しながら、雪をはらう竹製ブラシの動作を確認した。
ササラ電車は現在2両が稼働可能で、例年12月から翌年3月まで活躍する。2022年度は17日間出動した。車両前方に装備したササラと呼ばれる竹製のブルーム(ほうき)を回転させ、市電線路上の除雪を行う。1束のササラは約200本の細く割った竹からできている。
同部施設課の岩本剛幸技師は「今年は暖冬になるかもしれないと耳にするが、いつ大雪になってもいいように点検準備に努める。除雪の最後のとりでとなるよう、市民のため気を引き締めたい」と話した。
冬の風物詩を一目見ようとカメラを手に訪れた見物客も。大阪府守口市の会社員、白樫豪寿さん(51)は「鉄道が趣味で函館市ホームページから試運転を知って来た。ササラ電車は全国的にも珍しいので多くの人に知ってほしい。冬の新しい観光資源にもなると思う」と期待を込めた。(竹田 亘)