日本船舶海洋工学会の「ふね遺産」に認定された「摩周丸」(現函館市青函連絡船記念館摩周丸)で10日、認定プレートの掲額式が行われた。摩周丸を所有する函館市の大泉潤市長と、管理・運営するNPO法人「語りつぐ青函連絡船の会」(湯川れい子理事長)の白井朝子副理事長が2階エントランスのレリーフに取り付けた。
ふね遺産は、歴史的価値のある船舶や関連遺産を社会に周知し、文化的遺産として次世代に伝えようと、同学会が2017年から認定している。摩周丸は戦後、安全性を重視した第二世代青函連絡船の先駆けとして「八甲田丸」(青森市)と同時に今年7月に選ばれ、9月に東京で認定式が行われた。
式では東京海洋大の庄司邦昭名誉教授が「ふね遺産と摩周丸」と題し講演。「連絡船の会の尽力で大切に保存されており、函館市の皆さまは今後とも温かく見守っていただければ」と話した。大泉市長は「市として観光振興に尽力し、摩周丸にたくさんの人が訪れるよう魅力づくりに力をいれたい」とあいさつした。
湯川理事長はメッセージを寄せ「専門家の学術的な団体から摩周丸が評価されたことは、小さなNPOの私たちにとってうれしく、夢にも考えていなかった。函館港の魅力ある観光スポットであり続けたい」と白井副理事長が代読し、正午の汽笛を合図にプレートを貼り付けた。
摩周丸の認定プレートは日本機械学会の「機械遺産」、経済産業省の「近代化産業遺産」に次いで3枚目で、船体として認定は初めて。(山崎純一)