【福島】町は、7月31日に61歳で死去した町出身の先代九重親方(大相撲元横綱千代の富士、本名秋元貢)を追悼する冊子を作製した。広報ふくしまの臨時特集号として8月31日、全戸配布した。冊子はA4判カラー8ページ。
先代九重親方は漁師の家の長男として塩釜地区で誕生。九重部屋入門後、1970年9月場所で初土俵を踏み、19歳だった74年九州場所で十両昇進した。81年初場所で幕内初優勝を果たした後、大関となり、同年7月には横綱に昇進した。以後幕内で歴代3位の31回の優勝を果たしたほか、89年には角界として初となる国民栄誉賞を受賞した。
親方になった後は、毎年夏に町内で夏合宿したり、やるべイカまつりにも協力した。
冊子では、横綱記念館などから提供された写真19枚(表紙も含む)を使い、入門時から九重部屋を継承するまでの歩みを回顧している。満1歳の時や福島中学校バスケットボール部でキャプテンとして活躍したころなどの貴重な写真も掲載し、中学校時代は陸上競技の走り高跳びと三段跳びで地方大会優勝を果たすなど運動神経が抜群だったと紹介している。
誕生から現役時代の主な戦績などをまとめた経歴も掲載し、表紙には親方と小中学校時代同級生だった鳴海清春町長が「町民に希望と勇気を与えてくれてありがとう」とメッセージを寄せた。
冊子を作製した町企画課は「親方の功績を後世に語り継ごうと作製した。若い世代の人たちにも知ってもらうきっかけになれば」としている。(鈴木 潤)