【上ノ国】町中須田の道道5号江差木古内線南側に広がる京谷作右衛門さん(80)方の田んぼで24、25の両日、稲わらの束を円錐形に積み上げ乾燥させる作業が行われ、35基の稲積(にお)が完成。田んぼの昔ながらの秋の風物詩がお目見えした。
馬の飼育にわらを使い、馬ふん堆肥で化学肥料を低減させながら米を生産する循環型農業に取り組む京谷さんは今年、稲積による天日干し自然乾燥米用に道南ブランド米「ふっくりんこ」を40アール、「ななつぼし」を30アール、そして今年始めて「ゆめぴりか」を20アール作付けた。
20日から順次、手押し式のコンバインで刈り取りを始め、稲わらを束ねる作業を開始。24日から三角錐(すい)形状に支柱を組み、支柱の周りから稲わらの束を集め、穂が内側になるように高さ約2メートルまで稲の束を積み上げた。頂上部分はブルーシートを被せ、スズメの食害を防ぐため網をかけている。
「冷たい北風に当たらないとおいしくならない」と話す京谷さん。風を取り込む稲積の開口部はすべて、北側に設けている。今年の稲の生育は「夏の暑さの影響か、実りがやや少なめ」と話す。作業者の高齢化もあり、稲積の作成数も昨年と比べ15基減らした。今年の天日干し自然乾燥米はより貴重になりそうだ。
天日干し風景が見られるのは10月10日ごろまで。今年も町のふるさと納税返礼品として出荷する予定。直接、京谷さんからも購入できる。問い合わせは京谷さん(0139・55・2283)へ。(入江智一)