函館地方気象台(中村辰男台長)と函館山ロープウェイ(浅井忠美社長)は20日、防災情報などの放送に関する連携協定を締結した。函館や近郊で大雨など悪天候が迫っている時、気象台職員が同社放送事業部門「FMいるか」の番組中に注意喚起することで、聴取者に通常ではない事態が起こりうることを認識してもらう。
函館や近郊では昨年8月8~9日、大雨となり土砂災害警報が発表され、浸水被害が相次いだ。数年に一度となるような気象現象に対して、気象台が持つ気象災害への危機感を地域の人に直接伝えることができるように締結を考え、合意となった。これまで定期的に職員が番組に出演する機会はあったが、放送中に電話などで直接注意喚起することで、地域防災力向上につなげたいとの期待がある。道内では旭川などで同様に気象台と地域コミュニティー放送局が連携協定を結んでいるが、函館では初めて。
函館第2地方合同庁舎で締結式を終えた中村台長は「防災に関する情報を気象台が発信し、いつも聞いているFM局で広めてもらうことでより多くの人に伝わる。職員も情報を迅速に発信すべきという意識が高まる」。浅井社長は「当局は30年の歴史を持つが災害放送の歴史でもある。胆振東部地震(2018年)のブラックアウトで災害や生活情報など24時間発信してきたが、重要なのは函館地方気象台の情報。連携を深め、地域に寄り添った情報、防災情報を届けていきたい」と話した。(山崎純一)