台風9号の北上と、北海道付近に活発な前線が停滞した影響で、22日の渡島、桧山は引き続き断続的な雨となった。航空路では羽田空港を発着する便に欠航が相次ぎ、函館との便にも影響が出た。函館地方気象台によると、台風9号は23日朝に北海道に上陸する見込みで、大気の不安定な状況が続くとしている。
気象庁の速報値によると、22日の1時間雨量の最大は、せたな23・5ミリ、七飯町大沼20・5ミリ、函館19・0ミリ。
大雨警報の発表に伴い、函館市は22日午後8時、土砂災害が発生する恐れがあるとして戸井、恵山、椴法華地域に、午後9時に旧市内の一部に避難準備情報を発令。函館アリーナ、小安中央会館や恵山コミュニティセンター、椴法華総合センターなど20カ所で避難所を開設した。
航空各社によると、羽田-函館便は全日空4便、日本航空4便、エア・ドゥ1便の計9便が欠航、北海道エアシステムは函館-丘珠便4便が欠航し、計2500人に影響した。函館空港では乗客がキャンセル手続きなどに追われ、正午ごろに出発ロビーを訪れた男性は「4人で東京に戻るため、台風の状況を見ながら飛行機の最終便まで待つか、新幹線に切り替えるかで悩んでいる。ひとまず函館駅に行ってみようと思う」。夏休み中に帰省していた大学4年生の岩船翼さん(22)は「大学の研究と書類提出で、今日中に金沢に戻らなければならない。新千歳経由で行けるかどうか」と話していた。
同気象台によると、23日は、正午までに予想される1時間雨量の最大は渡島で45ミリ、桧山で30ミリ。波の高さは渡島東部で5メートル、北部で3メートルで、ともにうねりを伴う。雨の影響で道路冠水、住宅浸水、土砂災害に警戒し、竜巻などの激しい突風、農作物や農業施設に対する強風被害などに注意を呼び掛けている。
JR北海道は23日、函館-札幌間の特急で上下10本を運休する。下り函館発はスーパー北斗1、5、7、9号と北斗3号。上り札幌発はスーパー北斗2、4、10号と北斗6、8号。また、函館-新函館北斗間のはこだてライナーは始発から上下9本を全区間運休、函館線の普通列車(函館-長万部間)は上下で12本が全区間または部分運休する。
道南いさりび鉄道は23日、午前中で上下線10本を運休する。運転再開は、上りは函館発午前10時40分木古内行きから、下りは木古内発同10時13分函館行きから。
函館建設管理部は、落石の恐れがあるとして、道道41号(函館市豊浦町-日浦町)、道道970号(同市蛾眉野町-原木町)、道道29号(北斗市茂辺地市ノ渡-梅漬ゲート)を、いずれも22日午後5時から通行止めとした。(山崎純一)