科学と社会の関わりを考える「はこだて国際科学祭2016」が20日、開幕した。初日は五稜郭タワーアトリウムで、食をテーマにしたさまざまな催しがあり、大勢の人が科学の世界に飛び込んだ。
対談型講演「サイエンスダイアログ」では、道南農試場長の加藤淳さん、フードライターの深江園子さん、主催するサイエンス・サポート函館の美馬のゆり代表が登壇。「道南の農産物をさらにおいしく」と題し、それぞれの視点で答えを探った。
加藤さんは、道南で採れる大豆、米、あずきの3つを紹介。米はおいしさを左右する成分、アミロースとタンパク質の関係を説明し、北海道米で特A評価を受けている米について「『ふっくりんこ』は柔らかく食味がおいしい。『ななつぼし』はどんな料理にでも合い、『ゆめぴりか』は粘りがあるので白米で食べるのに適している」とアドバイスした。
深江さんは、日本の食卓を支えている一員に料理人がいるとし、「家庭でだしを取らなくなった分、その役割を補完してうま味を世界に発信している。道南なら南茅部のマコンブ。こういったうま味に着目した新たな料理が世界中で生まれている」と話し、国内外の料理人が集まる「第6回世界料理学会inHAKODATE」(9月5日~6日)の来場を呼び掛けた。
このほか、多彩な実験が楽しめる科学屋台やライブなどがあった。科学祭は28日まで9日間。(稲船優香)