【福島】福島町を代表する人気イベント「北海道 女だけの相撲大会」(町観光協会主催、函館新聞社など後援)が「母の日」の14日、福島大神宮境内の鏡山公園相撲場で4年ぶりに開かれ、道内外の女性59人が土俵上で熱戦を繰り広げた。トーナメントで争った結果、秋田県鹿角市の加藤久美子さん(29)=しこ名クロ太郎丸=が初優勝をし、横綱の栄冠に輝いた。
今回で29回目。大会に先立ち、女性力士たちは福島大神宮境内の女性の神様がまつられている「川濯(かわそ)神社」を参拝し、勝利を祈願。大神宮の常磐井武典宮司 による神事で土俵開きをし、開会式では、鳴海清春町長が歓迎のあいさつを述べた。
大会はA、Bのブロック分けの取組をした後、本選がスタート。一気の押しや投げ技で瞬時に決着がつく取組もあれば土俵際の逆転相撲と見応え十分の勝負が繰り広げられ、観客も女性力士に熱い声援を送っていた。
決勝戦は準決勝で西山まこさん(28)=まこデラックス山=の4大会連続優勝をはばんだ加藤さんが、鹿部町の山内彩聖さん(25)=彩聖丸=を引き落としで下し、前回大会準優勝の雪辱を晴らした。小中学校時代に相撲の経験があった加藤さんは「思いほか体が動いた。今回が最後という覚悟で臨んだので優勝できてよかった」と話していた。
会場には約1700人の観客が来場。「福島町するめ大使」を務める歌手、小橋亜樹さんが特別呼び出しを務め、会場を盛り上げた。姉妹で初出場した「やまだ山」の山田祐実さん(32)=長崎県佐世保市=と「えらぶりり山」の安田梨里花さん(23)=鹿児島県沖永良部島(おきのえらぶじま)和泊町=はともに3回戦、2回戦まで勝ち「成績を残せて良い経験になった。挑戦する大切さをここで実感した」と互いに健闘をたたえあっていた。
大会は、千代の山、千代の富士の二大横綱を生んだ相撲の町を全国にアピールしようと、1991年から毎年母の日に合わせて開催。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2020年~22年まで3年連続中止となっていた。(鈴木 潤)