国立国会図書館(NDL)はパソコンやスマートフォンで閲覧できる「NDLデジタルコレクション」で全文検索が可能なデジタル化資料を大幅に拡充した。利用登録で閲覧可能となる資料には函館市史など道南を含む自治体史といった書籍もあり、気軽に貴重資料にもアクセスできるようになり、インターネット上での調べごとの幅が広がった。
昨年12月にリニューアルした。デジタル化資料は約333万点、全文検索可能な資料は刷新前の5万点から約247万点に増加。1月からは印刷機能を追加し、印刷用ファイル(PDF、JPEG形式)の作成ができる。
資料の公開範囲は著作権保護期間などによって異なり▽ログインなしで閲覧可能▽送信サービスで閲覧可能(要利用者登録)▽国立国会図書館内限定―に分類される。利用者登録で閲覧可能になる資料も多い。
道南関連の刊行物も対象で、例えば、函館市史は通説編(1~4巻)や亀田市編など一部が「函館市史デジタル版」や「函館市地域史料アーカイブ」を通じてネット上で閲覧できたが、NDLデジタルコレクションでは史料編(全2巻)、統計資料編、都市・住文化編なども含まれる。七飯町史、上磯町史、森町史といった函館近隣の自治体史もあり、複数の資料から多角的に地域史を調べる時に役立ちそうだ。
出版地を「函館」で検索すると、明治期の文芸誌や函館商業会議所の年報といった資料もヒット。雑誌では広告欄の文字も全文検索の対象となる。また、「便利なツール」として、人物や地域に関する資料、写真などさまざまな切り口で調べたり、画像検索で類似図版を探すこともできる。市中央図書館には同一資料が収蔵されている場合もあるが、貴重資料の状態や破損を気せずに利用できる利点もあり、知的探究心を刺激する新たな〝出合い〟が広がった。
送信サービスは本登録が必要。満18歳以上で本人確認書類が必要で、インターネットからも登録ができる。デジタルコレクションのほか、「国立国会図書館オンライン」、「国立国会図書館サーチ」も同時にログインできる。今後も公開可能となった資料は随時、追加される。
デジタルコレクションは(https://dl.ndl.go.jp/)へ。(今井正一)