苫小牧沖合で火災が発生し、函館港沖合に停留している商船三井フェリー(東京)の「さんふらわあだいせつ」(1万1401トン)の本格的な消火作業が6日夜、始まった船内に炭酸ガスを注入し、酸素濃度を低めて火の気を断つ手法で行われ、鎮火が確認されるまでは数日かかる見通しだ
消火作業は同フェリーの委託で海洋工事専門の日本サルヴェージが主に取り組み、第一管区海上保安本部(小樽)によると、この日は早朝から船内を密封するための目張り作業などが行われた当初、午後の早い段階で炭酸ガスの注入を予定していたが、やや高い波の影響や慎重な目張りの徹底で、注入作業の開始がずれ込んだという
計画では船内に30トンの炭酸ガスを入れる方針で、同日午前に液化炭酸ガスを室蘭からトラック2台で計約15トンを持ち込んだ午後4時40分ごろ、トラックは海岸町の岸壁から台船で沖合のフェリーの焦げ跡が目立つ右舷に近づいた
関係者によると同7時ごろに炭酸ガス注入を開始作業は24時間態勢で、トラックの大型タンクに一定のガスを残さなければならず、1回目は10トン強を入れるこのため計画の30トンまでには3回のピストン輸送が必要また、時間をかけて少しずつ注入しなければ不具合が生じるため、数日間の作業が見込まれる
フェリーの停留海域は、函館漁港の北北西1・6キロで、関係機関は引き続き、安全のため近づかないように注意を呼び掛けている(田中陽介)