函館地域産業振興財団(松本栄一理事長)は30日、函館産の春採りコンブ(春先に水揚げしボイル塩蔵したマコンブ)400キロが台湾へ輸出されたことを明らかにした昨年2回の輸出実績がリピート受注を生み、今回は数量が前回より倍増し過去最大函館産コンブを利用した新しい市場が、海外にできつつある
ヤマキ石田水産(的場町)が製造した「御刺身(おさしみ)昆布」で、卸売会社「函館魚市場」を経由し横浜港から船便で台湾へ同日出発8月上旬に到着予定で、現地の日本食フランチャイズ店が日本食の一部に使う
同財団によると、台湾はコンブ消費が堅調で、日本と同規模のコンブ消費市場があるというしかし、輸入は生産量が多い中国や韓国産が大部分を占め、日本産のシェアは低い
御刺身昆布は昨春に150キロ、昨秋に200キロ、それぞれ台湾に輸出された実績を持つ2回とも1個170グラム入り小袋で「様子見に使っていた」と同財団今回は1キロ入り大袋で送っており、使用量が増えてきたことに手応えを感じている
同財団は、養殖過程で間引きされるコンブの付加価値を高めようと、〝春採り〟と視点を転換利用技術やブランド形成に向けて研究を続けており、木下康宣研究主査は「3回目のリピートがあり、安定した市場形成が期待できる状況にある函館産コンブの利用拡大が進めばうれしい」と話す市内2社がボイル塩蔵品を製造しており、生鮮利用を新しい食文化につなげる考えだ(山崎大和)