就航50年を迎えた青函連絡船「摩周丸」の記念イベントが6月30日、函館市若松町の市青函連絡船記念館摩周丸で開かれた青函連絡船OBらによる出港模擬実演が行われ、参加者は摩周丸の歴史に思いをはせた
函館市青函連絡船記念館摩周丸、特定非営利活動法人語りつぐ青函連絡船の会が主催この日は、実際に摩周丸が初就航した1965年6月30日20便(函館午後0時25分出港、青森同4時40分着岸)に合わせ、操舵室などで出入港時の作業の様子を再現した
出港15分前にドラの音が響き渡り、船内アナウンスが時刻を告げた操舵室では、航海士たちが精悍な面持ちで海上を見つめ、他船の確認など連携を取りながら慎重に作業を進めた出港を知らせる汽笛の音が鳴り、最後は二等航海士から船長に航路の引き継ぎが行われて、実演が終了した
摩周丸最後の船長千葉辰見さん(76)は「何年振りか分からないが、仲間たちと連携を取り、気分良く運航の様子を再現できた」と笑顔を見せた根崎町在住の主婦宮川セツ子さん(78)は「見送りなどさまざまな思い出が胸にあふれてきたとても感慨深かった」と話していた(斎藤彩伽)