東京のIT関連会社「ブレーン」元松前支店長の男性(63)から現金100万円を受け、同社の企業誘致の便宜を図ろうとしたとして事前収賄の罪に問われた、前福島町長、佐藤卓也被告(54)=福島町福島=の論告求刑公判が10日、函館地裁(佐藤卓生裁判長)であった。検察側は懲役1年6カ月および追徴金100万円を求刑し、弁護側が無罪判決を求め、同日結審した。判決は28日。
検察側は論告で、「公務の公正に対する町民の信頼を著しく損なわせた刑責は重大」と指摘。「このような犯罪が二度と行われないようにするためにも厳重処罰が必要」とした。
弁護側は「元支店長の供述には重大な疑問があり、信用できない」とし「請託はなく、供与を受けた100万円は選挙資金であり、賄賂ではない」と改めて無罪判決を求めた。
起訴状によると、同被告は2012年8月26日投開票の町長選前の同13日ごろ、後援会事務所で元支店長から、同被告が当選した際に同社が町の各種助成を受けやすくなるようにと持ちかけられ、報酬として100万円を受け取ったとしている。
元支店長は1月に贈賄罪で函館地裁から懲役1年、執行猶予3年の有罪判決を受け、刑が確定している。