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北ミサイル 道南上空通過 緊張高まる

 政府は29日、北朝鮮が同日午前5時58分ごろに日本側に向けて弾道ミサイル1発を発射し、渡島半島と日高管内襟裳岬の上空を通過後の同6時12分ごろ、同岬東方1180キロの太平洋上、日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したと発表した。道内上空のミサイル通過は初めて。道や道警などによると、道南へのミサイルの部品などの落下物は確認されていない。人的被害もなかったが、携帯電話やテレビなどで警報音が鳴り、住民の不安は極度に高まった。
 政府によると、ミサイルは北朝鮮西岸から発射され同6時6分ごろに襟裳岬上空を通過。北朝鮮は昨年以降、2回の核実験や30発以上の弾道ミサイルを発射し、今年に入り新型の可能性がある弾道ミサイルも発射している。政府は国家安全保障会議を早急に開いて被害状況などの情報取集を急いだ。
 道南では函館市など自治体が全国瞬時警報システム(Jアラート)を受信し、防災行政無線で住民に避難を呼び掛けた。
 安倍晋三首相は官邸で会見し「これまでにない深刻かつ重大な脅威であり、地域の平和と安全を著しく損なうもの。国連安保理に緊急会合を要請する。強固な日米同盟の下、国民の安全や安心の確保に万全を期したい」と述べた。
 交通機関では一部に遅れがみられた。北海道新幹線は安全確認のため午前6時2分に一時運転を見合わせて同6時25分に運転を再開、3本で最大28分の遅れ。道南いさりび鉄道は同7時5分木古内発函館行き1本が運休、6本に最大1時間10分の遅れが出た。
 函館市企業局交通部は、Jアラートの通知を受け、函館市電の初便同6時7分駒場車庫前発湯の川行きを見合わせたが、ミサイルの上空通過が確認された8分後の同15分に運転を再開した。

自治体、情報集に奔走 住民への対応に追われる

 道や道南の自治体は被害状況の把握や防災行政無線などによる住民への情報提供に追われた。
 渡島総合振興局ではJアラートの発令に伴い、午前6時すぎから防災担当者を中心に続々と職員が登庁し、管内自治体の被害状況やJアラートの作動状況などの確認作業に当たった。また、同9時ごろから高橋はるみ知事が出席して緊急テレビ会議を行い、道内全振興局と本庁で情報共有を図った。
 函館市でもJアラートの発令直後から、担当職員が総務部内に設置しているホワイトボードに、発射後の状況を細かく書き記し、プロジェクターを使ってパソコンの画面を映すなどして被害や市電、バスなどの運行状況などを確認した。
 江差町と厚沢部町には防災行政放送設備がなく、国民保護サイレンが町内に響くことはなかったが、江差では火災発生時に使う町内各地の吹鳴装置(屋外スピーカー)を使い、同6時13分と41分に消防職員がミサイルに関する情報を読み上げる独自の生放送を行った。厚沢部は、町側から地域に向けた情報発信は行われなかったが大きな混乱はなかった。
 奥尻町ではJアラートの受信端末は正常に作動したものの、受信時に端末に登録されている防災担当職員や町内会長らの携帯電話へ自動で送信されるメールが届かないトラブルがあったが、防災担当職員らは携帯電話各社から発信された緊急のエリアメールを確認してただちに登庁し、対応に遅れはなかった。
 この他、道南の市町では住民から防災行政無線での放送内容を確認する内容や、具体的に取るべき行動などの問い合わせが寄せられたが、大きな混乱はなかった。木古内町幹部は「早朝、避難に使える公共施設は町立病院や老健ぐらい。ミサイル到達までの時間を考えても避難は現実的ではない」と漏らす。

漁業関係者、不安広がる

 ミサイルの上空通過は、道南の漁業関係者にも大きな不安を与えた。江差町の漁業、青坂貴章さん(52)は自宅のあるかもめ島を愛犬と散歩中にスマートフォンの警報音に気づき「すぐに空を見た。(7月の奥尻島沖合への落下もあり)何回もこれから飛んでくるのかなと思うと大変な話だ。沖で操業していたら船の機械の音で警報音に気づくことは出来ないと思う。無線で仲間が教えてくれても陸地と同じで逃げようがない」と心配する。
 函館市漁業協同組合やひやま漁協、松前さくら漁協、南かやべ漁協、森漁協によると、いずれも管内での操業への影響はなかった。ある漁協関係者は「Jアラートの知らせを受け飛び起きて出勤したが、(職場に)着いたのは通過したあとだった」と振り返り、「ミサイル発射の一報から上空通過までがあまりにも短時間すぎて、何もできなかった。就業時間中ならまだしも、早朝ではどうすることもできない」と即時対応の難しさを口にした。

制裁と交渉 努力必要

 逢坂誠二衆院議員(民進)の話 国民の安全を脅かす言語道断の行為で、絶対に認められない。発射させない状況をつくることが重要。経済制裁と外交交渉で、発射を防ぐ努力が必要。

防衛策 次のステージに

 前田一男衆院議員(自民)の話 日本全体で危機感を強めなければならない。今回はミサイル1発だけだが、砲火攻撃を受けた際の防衛策など真剣に考えるステージに入っている。










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