函館市内で、26日から29日にかけて交通死亡事故が2件相次いだ。今年に入ってから死亡事故だけで4件(前年同時期は0件)となったことを受けて、道警函館方面本部など関係機関は春の全国交通安全運動(4月6日~15日)を前に、改めて安全運転の徹底を呼び掛けている。
同本部交通課によると、新年度を前に輸送繁忙期に入ったことや、雪が解けて日に日に暖かくなり、自転車利用者が増えていることが背景にあるとする。
2件ともに職業運転手による事故であることから、関係者は「急ぐあまり安全確認がおろそかになっていないか懸念がある。市や函館地区トラック協会、函館地区バス協会と連携し、痛ましい事故の未然防止に向けて取り組んでいる」とする。
1月から今月28日までの人身事故発生件数は199件(前年同期比9件減)、255人(同8人減)と一見、減少傾向にあるが、このうち65歳以上の高齢者が絡む人身事故は42件(同19件増)、43人(同13人)と増えている。死亡事故は3件で、29日の事故を加えて4件に更新。このうち高齢者の死亡は2人と半数を占める。
春の全国交通安全運動では、高齢者の事故防止や自転車の安全利用も重点目標の一つに挙げられる。同課は「自転車は歩行時に比べスピードがあり、自動車の死角に入ると危ない。信号が青でも左右確認して横断するなど、交通マナーの基本に立ち返ることが重要だ。運転手と歩行者双方が注意すれば痛ましい事故は起きない」とし、高齢者に対しては夜光反射材の活用などを徹底して呼び掛けていく方針だ。(半澤孝平)