【乙部】19日午前7時ごろ、町花磯の一般住宅から出火し、周辺の一般住宅7軒に延焼した。乙部消防などによるとけが人はなかった。江差署などは出火元や出火原因を調べている。
乙部町消防から8台、江差、厚沢部、八雲町熊石の各消防から計5台の消防車両が消火活動に当たり、出火から約9時間後の午後4時ごろに消し止められた。
函館地方気象台によると、この日は低気圧の影響で隣町の江差町で最大瞬間風速19・9メートルの強風を観測していた。
この火災で町は、役場内に臨時の避難所を設けて被災者に対応した。町によると、現場付近の電柱にも火が燃え移ったため、周辺地域が一時停電。暖房器具などが使用できない状況になったため、町民に避難所の利用を呼びかけたところ、午前中に数人が来庁したという。しかし、停電の復旧見通しが立ったため、午後には避難所を閉鎖した。
また、現場付近の国道229号は消火活動で一時通行止めとなった。
延焼で家が焼けた花磯の男性(85)は「朝起きて顔を洗っていると、火が飛んでくるのが見え煙もすごく流れてきたので、慌てて家を飛び出した。すると、すぐ近くまで炎が迫ってきていて、逃げるので必死だった」と話した。
火災現場の北隣の豊浜地区の男性(80)は「すごい煙が上っているのを見て駆けつけた。海から強い風が吹いていて、ものすごい勢いで燃え広がっていっていた」と不安そうに話した。