北大大学院水産科学研究院(木村暢夫院長)と奥尻高校(清水信彦校長)は23日、相互の教育効果の向上を目的とした「高大連携協定」を締結した。両校のこれまでの教育交流をさらに発展させ、水産学分野などで地域に貢献できる人材の育成を目指す考えだ。
両校は2018年度から道内の水産課題を担う人材育成を目的に、同学部の修士課程学生が同高に出向き、授業で水産科学実験の指導をしたり、同高1年生の宿泊研修で同学部の研究室見学や講義を受けたりするなどの教育交流を進めてきた。
協定内容は①教職員及び学生・生徒の相互派遣②教育についての情報交換及び交流③その他連携事業―に関して連携を進めるとしており、同日、北大函館キャンパスで開かれた調印式で木村院長と清水校長が協定書に署名した。
木村院長はこれまでの両校の教育交流に触れ「双方にとって実りのある活動となっている。今後は交流を一層広め、持続的に連携活動を行うことが必要だと判断した」と協定締結に至った経緯を語り「奥尻高生徒の水産学の視野を広め、学習や進学の意欲を高めるとともに、北大の学生の実践的教育を実現し、広く地域や社会に貢献できる人材育成を目指す」とした。
清水校長は「奥尻には大学がないので、当校の生徒が大学生と交流し、進路を含めた会話ができる場は非常に貴重だと考えている。高校の中だけでは学べない知識を習得し、視野を広げてもらうことを期待する」と述べた。(金子真人)