1月31日~2月2日に札幌であった「第12回道展U―21」(道美術協会主催、函館新聞社など後援)で、市立函館高校美術部1年の佐野碧華さん(16)が札幌市長賞、1年の中川志衣さん(16)が函館新聞社賞、3年の森谷美友さん(18)がHBC賞に輝いた。このほか、11人が奨励賞に選ばれ、部員は受賞を励みに一層の高みを見据えている。
作品展は道内の15~21歳の中学生、高校生、大学生を対象とし、全道から826点の応募があった。同部からは25人が出品し、全員がF50号の油彩画を制作した。
佐野さんは「ミモザ」と題し自画像をベースに、花々と共に光に向かって伸びていく真っ直ぐな気持ちを表現。特に髪の毛や花は実物を参考に忠実に描いた。色鮮やかに描いたミモザは「もっと書き込めれば、より良い作品になった」と悔しがり「今回の受賞に満足せず、新しいタッチや色使いにも挑戦してきたい」と意気込む。
中川さんは「朝が舞台」と題し夜明け前の街を自画像と共に描き、現実を抜け出し、別の世界を見てみたいという願いを込めた。五稜郭タワーから見える函館の街並みをモデルとし、多彩な色でカラフルに仕上げた。「自信があったので、賞をとれてうれしかった」と笑みを浮かべ「これからも人に喜んでもらえる鮮やかな作品を目指したい」と抱負を話す。
森谷さんも、自画像を中心に「empty(エンプティ)」と題し大学受験で感じた期待と不安を表現。「受験で自分に自信が持てなかった感情を思いのままにナイフを使い描いた。賞を狙っていたのでうれしい」と笑顔。4月から札幌大谷大の美術学科造形表現領域に進学予定で「大学でも油絵を続けたいが、日本画など新しい表現方法にも挑戦したい」と目を輝かせる。(飯尾遼太)