【乙部】伝統種目に子どもの健やかな成長と大漁への願いを重ねて―。乙部明和小学校(能代仁校長、児童10人)は、運動会でまちを支えるスケトウダラ漁にちなんだ種目「スケソでGO!」を披露した。今年も100人を超える住民が参加し、児童とともに歓声を挙げて交流を深めた。
種目ははえ縄漁が題材で本物の漁具を活用。浮きの木樽に縄をまいたり、ほどいたりして人形の魚体をバトンリレーする内容で、3日に開かれた運動会で熱戦を楽しんだ。
資源減など近年の漁業を取り巻く環境は厳しいが、同校は15年ほど前からこの種目を目玉に「原点には大漁と安全操業への願いがある」(PTA関係者)と漁師らを応援している。
児童会長の6年、新谷果央さん(11)は「休み時間にみんなで集まって何回も練習したので上手に出来た」と満足の様子。祖母の祐子さん(73)は、菓子缶を豪快にたたいて子どもたちの熱戦を見守り「大人が参加するスケソでGOも毎年盛り上がって面白い」と笑顔だった。
同校は「地域に欠かせないスケソ漁を子どもたちが学ぶ上でも、この種目を伝統として守り続けたい」とする。(田中陽介)