函館市船見町の古刹、高龍寺(永井正人住職)では、同寺所蔵の掛け軸や書を虫干し展示している。本堂への廊下などで計121点を紹介し、永井住職は「ただ干して飾っているだけだが、それぞれを楽しんだり思いをはせたりしてもらえれば」と話している。
同寺院で毎年この時期に開催する「金毘羅尊天例大祭」は、今年も新型コロナウイルス禍の影響でステージアトラクションや宝物展などをすべて中止し、10日に一日法要のみ行う。2年連続で「お楽しみ」が中止になるため、普段は随時・随所で行っている虫干しを期間と場所を集中して並べ、密にならず寺でひとときを過ごしてほしいと初めて企画した。今回は蠣崎波響の作品は出していない。
本堂廊下に高さ2メートル以上などの掛け軸、金毘羅堂には「三千仏図」、2階大広間には書を展示。書は線や空白の美しさで書道の勉強にもなりそうだ。軸や書に説明書を添えていないが、永井住職は「『縁尋機妙(えんじんきみょう)=安岡正篤』と言われるように、軸や書を介して寺と檀家さんや市民との縁を強く結び直すことになれば。作品の主題や字の内容、筆者の思い出などが分かれば教えてほしい」と話す。
展示は20日までの午前8時~午後4時半。例大祭の祈祷(きとう)法要は10日午前11時半から檀信徒祈願者特別祈祷、午後1時半から七五三祈祷、特別祈祷、同3時半から本祭大祈祷などを行う。(山崎純一)