函館市縄文文化交流センターで、今年度の企画展「世界文化遺産 大船遺跡と垣ノ島遺跡」が開かれている。7月27日に世界文化遺産への登録が正式に決定した「北海道・北東北の縄文遺跡群」を構成する市内の両遺跡の歴史や特色をパネルで解説し、4種類の出土品を展示している。10月3日まで。
今回の展示では、日本の縄文時代と世界の新石器時代の生活スタイルの違いや垣ノ島・大船両遺跡の変遷などを、約10枚のパネルにまとめて解説。垣ノ島遺跡から出土した縄文早期の尖底(せんてい)土器と石の両端を打ちかいて作った漁網用の石の重り、大船遺跡で見つかった縄目模様を付けられた深鉢や、木の実などをすりつぶすために使われた擦石(すりいし)と石皿の実物も公開している。
同センターの太田哲也学芸員は「日本の『縄文』の価値が世界に認められたことを知ってもらえれば」と話す。3日に訪れた市神山2の会社員、竹田浩さん(46)と恩(めぐみ)さん(40)夫妻は「遺跡についてまだまだ知らないことがある。このような展示で周知を続けていくのが必要なのでは」と今後に期待した。
午前9時~午後5時。8月9日と9月20日を除く月曜休館。入館料は一般300円、学生150円(未就学児は無料)。問い合わせは同センター(0138・25・2030)へ。(海老田暁)