函館出身の大道芸人ギリヤーク尼ヶ崎さん(90)の2年ぶりとなる函館公演が、21日午後2時から函館市松風町のはこだてグリーンプラザで開かれる。今年唯一の道内公演で、19日には誕生日を迎えて91歳となる伝説の大道芸人が故郷で魂の踊りを届ける。
街頭公演を1968年から半世紀以上継続。近年はパーキンソン病などを患い、満身創痍でありながらも芸を磨き続けてきた。新型コロナウイルスの影響で昨年以来、全国各地での公演がほぼできない状態が続き、春の関西公演は2年連続で見送った。
今回はコロナ禍の犠牲者に鎮魂の舞をささげた昨年10月の横浜市での公演以来で、大門では津軽三味線奏者の二代目高橋竹山さんと共演した2019年8月以来2年ぶり。
ギリヤークさんの黒子を務めている紀あささんによると、投薬治療は続くも調子自体は悪くなく、函館公演に向けて自宅近所の公園で練習を進めており、ギリヤークさんは「もしも最後の公演になったとしても、函館で踊りたいね」と話しているという。
昨年8月の来函時には、自らが主演、監督を務めたドキュメンタリー映画「魂の踊り」を撮影。若松町の生家前では「じょんがら一代」などを踊り、母の故郷、八雲町落部の海岸では海に入って「念仏じょんがら」をささげた。22日には札幌市厚別区のサンピアザ劇場での映画上映会がある。
21日の公演は観覧無料。投げ銭歓迎。状況によって内容に変更がある場合はギリヤークさんのフェイスブックページ(https://www.facebook.com/Gilyakamagasaki/)で告知する。(今井正一)