NPO法人市民創作「函館野外劇」の会(中村由紀夫理事長)は4日、11日開幕の第33回公演「星の城、明日に輝け」に向け、本番同様の通し稽古を五稜郭公園一の橋広場で開いた。キャスト、スタッフが2年ぶりの公演成功を誓い、演技やセリフ、動きを確認した。
昨年は新型コロナウイルス流行の影響で、1988年の開始以来、初めて公演が実施できなかった。今年は感染防止対策に力点を置き、11日から8月8日までの毎週日曜日の午後3時から、観覧料無料の昼公演として実施する。4月に稽古を開始したが、5月中旬以降の緊急事態宣言時には練習場所としていた学校開放や五稜郭タワーアトリウムの利用ができず、代替の練習場所でも時間の制約を受けたという。
また、公園利用者の歩行スペース確保のため、会場は夜公演実施時よりも狭まり、通し稽古は、客席との距離感や立ち位置も意識しながら進められた。キャストは出演中も衣装に合わせた淡い緑やベージュ色などのマスクを着用し、小道具類の消毒も徹底。物語はこれまでの内容を維持しながら、勝田コウとカール・レイモンのエピソードなど、新たな演出も加えた。舞台監督の浦田真希さんは完成度は80%としつつ「(キャスト陣は)こちらの意図をくんで動いてくれている。こうしてできることが楽しいですね」と話した。
午後2時半開場。直接開場へ。土谷雅宏事務局長は「2年ぶりに野外劇が帰ってきます。ソーシャルディスタンスを確保しながらご覧ください」と来場を呼び掛ける。問い合わせは事務局(0138・56・8601)へ。(今井正一)