函館デザイン協議会(岡田暁会長、会員数43)は、第27回会員作品展を今年はオンライン上で開いている。「今、デザイナーができること」をテーマに、同協議会ホームページ内に特設ページを開設。新型コロナウイルスの流行という事態に各会員がデザインの仕事と向き合い、生み出した作品を紹介している。
会員作品展は例年10月ごろに函館市内で会場を借りて開催してきたが、今年は会場予約をする時期の4月が緊急事態宣言のさなかで、実施は難しいと判断。7月に初のウェブ上での開催を決めて準備を進めてきた。
会員間の投票で決めるポスター製作は例年通り実施。今年はホーム企画の高田郁子さんのデザインで、色とりどりの種が手のひらから花開いていく様子を描いた。
テーマに沿った企画展には、11人が25点を出品。建築環境設計ゾーンプロジェクトの藤島浩一さんは市内店舗に設置した「飛沫防止スクリーン」を紹介。文字堂の野口等さんはイカ墨で染めたマスクをまとめた。ガーデンの佐賀吉憲さんは「笑いや会話を促す運動」として、マスクに紙でつくった鼻をつけた少年の姿を通じて、明るさを与える。このほか、早期収束を願うポスターや、デッサン、羊毛フェルト人形といった作品も。それぞれが導き出したコロナ禍の〝解決方法〟をデザインの力で導き出している。
また、「マイワークス2020」では会員13人が業務として請け負ったデザイン成果など41点を寄せた。商品パッケージや施設のロゴマークなど、地域の中で目にする機会が多い作品もある。
岡田会長は「食品などでは『地産地消』ということが言われて久しいが、デザインの地産地消はなかなか進まない。デザイナーが身近にいることも知ってもらえれば」と話している。
特設ページ開設は31日まで。(https://www.hdc―web.jp/sp/)へ。(今井正一)