函館市船見町の高龍寺(永井正人住職)の寺宝で、道指定有形文化財の「釈迦涅槃図」が本堂で公開されている。松前藩家老で画家の蠣崎波響(1764~1826年)による縦3メートルにもなる双幅の大作で、参拝客の関心を集めている。
同寺院では、釈迦が亡くなった日の法要である「涅槃会」を本来の2月15日ではなく、雪解け後の4月に営み、涅槃図は法要に合わせて毎年4月1~15日に公開している。
6、7の両日は道立函館美術館主催の波響作品を鑑賞するツアーでも多くの人が訪れ、説明に耳を傾けた。同寺院の涅槃図は、松前藩が復領運動を盛んに行っていたころ、1811年に同寺院11世、華重禅海住職に贈られたもの。永井住職は「お釈迦様の死を悼んで弟子や神様、動物たちが別れを惜しむ様子を描いたもの。涅槃会の法要時に礼拝するために毎年公開している」と話した。
涅槃会法要は15日午後1時からで誰でも参列できる。涅槃図は同日まで毎日午前9時から午後4時まで公開。(今井正一)