【厚沢部】江戸時代から町内に伝わる続く伝統芸能「鹿子舞(ししまい)」で新年を祝う、町新春鹿子舞交流会(町教委主催)が27日、町民交流センターで開かれた。約100人の町民が迫力あふれる荒々しい舞を満喫した。
同町内に伝わる鹿子舞は、室町時代に流行した風流獅子舞が起源と言われ、3頭のシカが主役を務めるが特長。この日は土橋鹿子舞(富栄鹿子舞保存会)、上俄虫鹿子舞(上里獅子舞保存会)、当路鹿子舞(当路鹿子舞保存会)が出演。2頭の雄シカが雌を取り合って激しく争う場面を、太鼓と笛、唄による演奏に合わせそれぞれ30分近く熱演した。
このほか、神楽を起源とした美和権現獅子舞も上演され、鹿子舞とは異なる優雅な動きで会場を和ませた。
町内の保存会で組織する町鹿子舞交流協議会の浜谷栄一会長(70)は「少子高齢化の影響で、鹿子舞を若い世代に引き継ぐのが難しくなってきた。それでもたくさんの人たちが鹿子舞を楽しみにしてくれているので、団体間の支援体制を強化して、伝統文化を絶やさないように頑張りたい」と話していた。(小川俊之)