函館出身の作家・佐藤泰志(1949~90年)の同名小説が原作の映画「きみの鳥はうたえる」(三宅唱監督)が2月7日にドイツで開幕する第69回ベルリン国際映画祭のフォーラム部門で上映されることが決まった。函館市民映画館シネマアイリスの菅原和博代表は三宅監督とともに現地を訪れる計画で、「映画人として、個人的にも目指していた映画祭で、大変名誉なこと。三宅監督を含めて喜んでいる。祭典の雰囲気を味わってきたい」と期待している。
カンヌ、ベネチアと並び世界三大映画祭に数えられる。例年、期間中20万人の来場があるといい、今年も2月17日まで開催。「きみ鳥」は8~16日に英語字幕付きで5回の上映が予定され、上映後には来場者と作品関係者との質疑の時間などもあるという。
菅原さんは「時代を浮遊する若者の姿や青春期特有の感情など、日本だけではなく共感が得られる普遍性のあるテーマ。作品を通じて海外の人にも函館という街を知ってもらえれば」と話している。
一方、1月23日に発表された第73回毎日映画コンクール(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社主催)では、ノミネートされた8部門のうち、「僕」を演じた柄本佑さんが男優主演賞、劇中音楽を手掛けたHi’Spec(ハイスペック)さんが音楽賞に決まった。
同コンクールでは、日本映画大賞に「万引き家族」(是枝裕和監督)が選ばれ、同作で安藤サクラさんが女優主演賞を受賞。柄本さんとの夫婦ダブル主演賞の話題性も大きい。
菅原さんは「監督賞や出演の3人全員が賞を取れたらと思っていたが、(作品を)代表しての柄本君の受賞。ヒップホップでの音楽賞も画期的でサプライズでした」と喜んだ。2月14日に神奈川県川崎市で授賞式が行われる。(今井正一)